Letters from 2LDK 2006.9〜2009.1
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2008年10月07日

訃報に、見上げる秋の空。

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緒形拳さんが亡くなった。


ずいぶん前に一度お会いして、普通の人なら会釈して終わる場面で
実にゆっくりと頭を下げていただいた。
自分がなにか、とても尊いものになったような。
本当は、ひとりひとりが尊いことを思い出させて下さったような。


あんな挨拶をする人を、みたことがなかった。
とても優雅な作法は、心をも包み込んでしまった。


わたしは俳優として、緒形さんが大好きです。
あんな芝居をする人なんて、いないからです。


でも、本当の凄さを知ったのは、あの挨拶でした。


亡くなられたのは、本当に寂しいです。
自分が好きだなぁと思う人が亡くなるたびに、
ぽかんと穴があきます。いろんなところに。
目立つところだったり、指先の裏のほうだったり。
時間がたってふと気づいて、はっとします。


人は生きているだけで、それだけで色んなメッセージを発するのです。
無理して何かしなくても、様々な形ですべての人に光を放ちます。
それが華々しくても、ただ部屋の中にいても。
生きていること全部が、メッセージなのだと思います。
posted by 榊いずみ at 00:00 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする