MAの合間に、脚本家兼プロデューサーの後藤さんに
「音楽をつける時、どこが難しかったですか?」
と聞かれた。うーん、と考えたけど、その時はうまく思いつかず
当たり障りのない答えをした。
あとからのんびり考えていくと
音を付けるシーンを決める、ということよりも、
音を使わないシーンを決める、ということが
とても難しい判断だったように思った。
そこまで綿密に考えて音を付けていっても、
本当に伝えたい瞬間に、音を消す。
それがもしかしたら、最大の音楽なのかもしれない、と思った。
そんな際立ったシーンもあり、階段を2段飛ばしで駆け上がるように
気持ちが昂揚していく場面では、それをサポートするように音を飛ばす。
引いたり押したり。
どんなときでも回りを見回して、その空気を最大限に
いかしていけるような感覚を磨いていたいと思う。
それはいつも余裕を残していなきゃ出来ない。
そんな人間でありたいし、プロでありたい。
仕事でも、生活でもね。
余裕。余白の饒舌さと。